ウェブサービス型高機能CMS「MovableType.net」体験レポート
わが社は、主にCMS(コンテンツ管理システム)をベースとしたウェブサイト制作を行っております。
中でも、オープンソースソフトウェアであるWordPressを活用したウェブサイト制作は多くご支援させていただいておりますが、昨今(というか昔から)、企業サイトとしてWordPressを採用する場合、セキュリティ面(本体やプラグインの脆弱性を狙った改ざんや不正プログラムの設置など)が大きなリスクとなります。
また、WordPressの運用面を考えると、WordPressをカスタマイズしていたり、プラグインとの相性により、簡単にバージョンアップができずに、Webサイト制作時のバージョンを使い続けないといけないといった問題も出てきます。。。
かといって、ある程度、サポートや品質がしっかりしている有償ソフトウェア、例えば、Movable TypeやPowerCMSなどのCMSを採用しようとすると、お客様側ではライセンス費用の負担が大きくなるので、何とも悩ましい問題ですね。
そんな中、今回は、セキュリティ面や運用面のリスクを抑えつつ、お手軽に安価でWebサイトが構築・運用できるサービス、ウェブサービス型CMS「MovableType.net」を体験してみましたので、レポートしてみたいと思います!
「MovableType.net」とは?
「MovableType.net」とは、MovableTypeソフトウェア版を提供する開発元のシックス・アパート株式会社が2015年に正式版を公開したウェブサービス型のCMS(コンテンツ管理システム)です。
WordPressやMovableTypeがサーバにインストールして使用する形であるのに対し、「MovableType.net」はインストールが不要なので、サーバやデータベースなどの知識がなくても、サービス登録をするとすぐに利用できます。
また、WordPressと同じく、デザインの雛形(テーマ)をカスタマイズすることで独自性のあるWebサイトを作っていくのですが、テーマの編集は多少の知識と経験が必要となります。
ちなみに「MovableType.net」で提供されるデザインの雛形(テーマ)は、WordPressに加べて少なく、すべてのテーマはレスポンシブデザイン(スマホ対応)となっています。
「MovableType.net」のここがオススメだよ!
Web制作会社目線で、「MovableType.net」を利用するオススメなポイントをピックアップしてみました。
- インストール作業やバージョンアップ(アップデート)が不要
シックス・アパート社がサーバを管理していて、バージョンアップ作業などのメンテナンス作業は不要となります。 - MovableTypeではお馴染みの「再構築」作業が不要!
MovableTypeと言えば「再構築!」と言ってもいいほど、面倒な更新作業のひとつである「再構築」が、「MovableType.net」ではありません!よって、更新内容がすぐに反映される仕組みとなっています。 - デザインの自由度が高い
WordPressと比べて「MovableType.net」が用意しているテーマは少ないのですが、カスタマイズの自由度が高く、HTML/CSS/Javascriptを使って外観や動きを好きに変更できますので、弊社のような制作会社としては使い勝手が良いと言えます。
「MovableType.net」のここがちょっと残念!
次に、ウェブサービスであるが故の残念な点をピックアップしてみます。
- FTPが使えない!
これは改善をお願いしたい部分ではありますが、「MovableType.net」はFTP接続が使えません。
代わりに「ファイルマネージャ」という機能があり、管理画面からファイル操作を行うことができます。
FTPの便利さに慣れていると大量のファイル操作や細かな編集作業はストレスを感じる方もいるかもしれません。 - サービス利用料が必要
月額2,500円のライトプランを3種類のプランが提供されています。
Webサイトを運営するにはサーバ代が発生するので、Webサーバ込みでの費用としては、それほど高くない印象です。 - テーマが少ない
WordPressに比べて「MovableType.net」が用意しているテーマは少なく、自由度が高いと言えるため、基本的にはテーマをカスタマイズして使用する形になります。
よって、多少のデザイン変更(HTML,CSS)の知識が必要となるのではないかと思います。
ビジネスサイトとして「MovableType.net」を使用するのであれば、Web制作会社などが支援することも必要になります。
今後もサービス型のCMSは広がるのか?
今回はウェブサービス型CMSとして「MovableType.net」を取り上げてみましたが、最近は、同じウェブサービス型として「Wix」というサービスもシェアを大きく伸ばしております。
ただ、「Wix」はどちらかというと個人事業主などの初心者向けサービス、「MovableType.net」は小規模の法人向けのサービスで、ある程度、弊社のようなWeb制作会社がテーマをカスタマイズして独自性のあるビジネスサイトとして提供していくサービスという印象です。
これまではWordPressやMovableTypeソフトウェア版などのインストール型CMSが主流でしたが、今後はサイトの規模に応じてウェブサービス型CMSも広く使われるようになりそうです。
各種、CMS(コンテンツ管理システム)を活用したWebサイト制作のご相談は、是非サイドスリーまで!!