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MovableType.net サイトサーチを試してみました


                MovableType.net サイトサーチを試してみました

つい先日(2019年8月21日)リリースされたサービスですが、さっそく無料トライアルで触ってみました。なおモンハンの体験版は未だに試せてないので買っても積みゲーになりそうです。

サイト内検索といえば、2018年にはGoogle Site Searchが終了し、その移行先として期待されていたYahoo!カスタムサーチも2019年に終了。
対応に追われて右往左往した制作会社も多いのではないでしょうか。

対応のパターンとしてはおおむね

  1. Googleカスタム検索を利用する
  2. CMSの検索機能で代替する
  3. ほかの検索ASPを利用する
  4. サイト内検索をなくす

のどれかだと思います。

CMSの検索は基本的にDBに登録された情報しか検索することができず、カスタム検索は広告が出るので競合サイトに流出してしまいます。
基本的にはASPを使うのが一番いいとは思うのですが、Google Site Searchと比べるとコストが高くなってしまうので結局もう検索ボックスなくしましたっていう所もそこそこあったようです。

今回試してみたMovableType.net サイトサーチは、Google Custom Search APIを利用したサービスです。
サービスの特長・詳細についてはこのへん(Six Apartのプレス)にまとまっています。

仕様的な詳細は上記の公式文書読んでもらったほうがいいので省きますが、ざっくり言うと「安くて簡単」なサイト内検索です。
機能はシンプルで、カスタマイズの幅もほとんどありません。しかしとにかく手軽に始められるのが最大の特長ではないでしょうか。
気になるお値段はスタンダードプランで年間25,000円(ライトなら10,000円)です。

とにかく使ってみた

1.アカウントを作ります。

今回はどんなものか試してみたかっただけなので無料トライアルです。
公式サイトから登録フォームにメールアドレスをいれて送信すると、すぐメールでURLが送られてくるので、サインインします。

Googleカスタム検索のAPIを使うので、Googleでアカウントを作成する必要があります(無料)。
ここで検索エンジンIDを取得したら、もうこの画面をひらくことはありません。
たぶん。
こちらはサイトサーチ管理画面の設定です。「サーチサービスの作成」を行った瞬間から3日間の無料トライアルが始まります。同じアカウント内で複数のサーチサービスを作れるので、最初に作ったサーチサービスが期限切れてももう一度作り直せば新たに3日間のトライアルが発生します。
トライアル申し込んだはいいけど期間中に作業時間取れなくて試せなかったということも稀によくあるので、これは地味にありがたいですね。
期限が切れるとサービスが止まるだけなので、安心してお試しいただけます。

2.サイト上に検索用のページを作ってコード埋め込みます。

上の画面はMovableType.netのウェブページ作成画面です。
弊社サイトの場合はCMSでウェブページを管理しているので管理画面からタグを貼り付けていますが、CMSなどが入っていないサイトでもHTMLにタグを埋め込むだけで実装可能です。

3.検索結果が表示されました。

最初にメールアドレス登録してからここまで約15分。
めちゃくちゃ簡単です。あとはちょっとスタイル調整をしたらもう完成ですね。はなまるうどんでとり天をトッピングするくらいの気軽さです。

その他ちょろっと触ってみた所感を挙げます。

  • 設定項目がすくない。ここまでシンプルな検索ASPって見たことないですね。そしてメニューにないことは基本できません。
  • たとえば複雑な検索条件をかけたり、ページのサムネイルを表示したりはできません。特定ディレクトリ配下だけ検索っていうのはできました。
  • iframeなどではなくJSで指定したコンテナ内のDOMが書き換わるタイプなのでスタイル調整(レスポンシブ対応)が可能
  • すでにMovableType.netを利用している場合は同じ管理画面の中でサイトサーチの設定ができるので便利。(Google側の管理画面は別だけど、たぶん初期設定のときしか開きません)
  • CMSの入ってない静的なサイトでも利用可能です。
  • リクエスト数に制限があるので大規模サイトやECサイトでは採用難しい。
  • PDFの検索は今のところできないそうです。残念。
    と思ったらインデックスされていればPDFも普通に検索に引っかかるとのこと。ファイル形式で絞り込む機能はないものの、PDF置くだけのディレクトリを作ってその下だけ検索するエンジンを設定しておけば、カタログ検索などにも使えそうです。

結局これ使えそうか?

やはり機能的にはかなり制限されています
すでにほかの検索ASPを利用しているなら、その置き換えにはならないと思います。
どちらかというと、サイト内検索の重要度がそんなに高くないサイトや、そもそも必要かどうかがまだ測りかねているような時にとりあえず採用してみるのがいいかもしれません。しばらく計測してみて、全然検索が使われないようだったら解約しちゃえばいいですしね。

そういう意味では、サービス自体のコストが低いというのもありますが、実装するのに専門のエンジニアが必要ないというのがすごくいいです。CSS触れるデザイナーが1人いればいいので、この手軽さは圧倒的です。
またエンジン自体はGoogleなので検索の精度についても担保されています。それでいて広告が出ない
GoogleAnalyticsと連携して、どんな検索ワードがよく使われているとか、どのページにたどり着いているかなど調べられるので、導線の改善にもなると思います。

また、本当にリリースしたばかりなので、現状できないことも今後のアップデートで色々できるようになるかもしれません。
MovableType.net自体も機能追加などのサイクルが早いサービスなので、その辺は期待できる気がします。

ということで、正直な所これが今後の定番になる!という印象はないのですが、小中規模のサイトではとりあえず選択肢には入れたい感じのサービスでした。あとは、いま暫定的にGoogleカスタム検索使ってるんだけど広告から競合に流出しちゃってるんだよねというような案件では積極的に検討していいんじゃないかなと思います。