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今から始めるEC-CUBE ~ver2系と3系の違い編~


                今から始めるEC-CUBE ~ver2系と3系の違い編~

本格的なネットショップを無料で作成できてしまうEC-CUBEは、ネットショップオーナーにとっては強い味方になってくれること間違いなし。
ただ現在EC-CUBEを導入する際、大きく2つの選択肢があることをご存知ですか?
EC-CUBEは約1年前の2015年7月にメジャーバージョンアップが行われました。
EC-CUBE3の登場です。
本記事ではEC-CUBE2系と3系の違いにフォーカスを当ててみたいと思います。

EC-CUBEの主なバージョンをご紹介

ここで一度EC-CUBEの歴史を振り返ってみましょう。改めて長い年月を歩んできたことが分かりますね。

2008年 ver2.2~2.3 インストールも安定して決済モジュールが充実してくる。ただシステム全体としては少々不安定な所もあったようです。
2009年 ver2.4 安定感が増して、このころから爆発的に普及してきたんじゃないでしょうか。
2.4系は今でも利用者が多いはず。
2011年 ver2.11 「スマートフォン標準対応」「ダウンロード販売機能」「複数配送先設定」等大幅に機能が拡張されました。
さらにこのバージョンからMySQL4.1系のサポートが打ち切られたため内部SQLの見直しが行われ、処理速度も格段に速くなりました。
2012年 ver2.12 ここでまた大きな変革。WordPressといったオープンソースではおなじみのプラグイン機能がついに導入されました。
2013年 ver2.13 法律の改正に伴い需要が増した、税率管理機能が加わりました。
2015年 ver3 そしてついにメジャーバージョンアップ!EC-CUBE3が登場しました。

では実際にバージョン2系と3系の違いを見ていきましょう

実際にEC-CUBE2系と3系を比べると、エンジニア視点で言えばもはや全く新しい別のシステムと言えます。
(完全に作り直しているので、当たり前といえば当たり前ですが。。。)

システム要件の違い

Ver. 2.13系 Ver. 3.0系
Webサーバー IIS 8.0以上
Apache 2.0.x 以上 2.2.x 以上
IIS 8.0以上
Apache 2.2.x 以上 2.4.x 以上
言語 PHP5.2以降 PHP5.3.9以降
※5.4.39にて動作確認済
データベース PostgreSQL 8.1.4以降 9.x以降
MySQL 5.0.x以降
PostgreSQL 8.4.x以降 9.x以降
MySQL 5.1.x以降 MySQL 5.5.x以降

フレームワークの違い

Ver. 2.13系 Ver. 3.0系
PHPフレームワーク 独自フレームワーク Silex
(Symfony Components)
テンプレートエンジン Smarty Twig

ユーザーインターフェイスの違い

Ver. 2.13系 Ver. 3.0系
ユーザー画面 PC/スマートフォン/フィーチャーフォンそれぞれ最適化された別々のテンプレートで管理 レスポンシブ
管理画面 PCのみ レスポンシブ

プラグインまわりの改善

これまでのバージョンで大きな問題となっていたのが、プラグインです。
もともとEC-CUBEはプラグインを想定した構造になっていなかったため、複数のプラグインを導入すると互いが競合してしまい、正常にプラグインが動作しない事が多々ありました。
そこでバージョン3系では大きく見直しが行われ、EC-CUBEのコア機能は必要最低限にとどめて、必要に応じてプラグインで機能を追加していくスタンスに切り替わっています。
実際2系ではコア機能として実装されていて、3系からプラグイン化されたものとして下記が挙げられます。

  1. 商品レビュー機能
  2. オススメ商品機能
  3. 関連商品機能
  4. 商品並び替え
  5. 帳票出力
  6. ポイント機能
  7. 定休日設定
  8. 売上集計
  9. メルマガ配信

結構たくさんありますね~。
上記はEC-CUBE公式プラグインとしてオーナーズストアから無料でダウンロードが出来ます。

アップデート方法の改善

もう1つ2系で課題となっていたのが、マイナーバージョンアップ時のアップデート方法です。

当社でもEC-CUBEのバージョンアップについては何度もご依頼を頂いておりますが、毎回苦労してきました。

特に2.4系から2.11系以降へのバージョンアップは相当な労力を要します。

3系になってWordPressのように2クリックくらいでアップデート出来るようになったのかと思ったんですが、どうもそこまでではないよう。うーん、ちょっと残念。。。

それでもDBマイグレーションに対応しただけでも大きな進歩でしょうか。一応しかるべき準備をしておけば、DBの構造に変更があった際は自動で反映してくれます。

結論を言うと

個人的にはバージョン3系の導入は本腰を入れて行っても良いと思っています。
先日ポイント機能のプラグインがリリースされたことで、ようやく必要最低限の機能は2系を踏襲できたんじゃないでしょうか。
当然1年弱の期間で全ての不具合が解消されているはずもなく、不安定な部分があるのは否定しませんが、前向きに検討していける段階になっていると思っています。

もちろん3系に対応したプラグインはまだまだ少なく、外部サービスの連携もこれからだとは思います。
そうはいってもこの業界、古いシステムが無くなるのは早いものです(笑)。 EC-CUBEについても例外では無く、来年2017年7月をもって2系の開発・サポートが終了となります。

Web制作会社である当社としては可能な限り新しいものも取り入れて、よりお客様の企業価値を高める努力をしていきたいと思っています。