ABテストって何?人気ABテストツール3選
ABテストとは
ABテストとは、Webマーケティング手法の一つで、サイトのパフォーマンスを向上させるための施策です。特にLP(ランディングページ)の内容・構成を最適化して、CVR(コンバージョンレート、コンバージョン率)を向上させたい場合に使われるケースが多く、LPO(ランディングページ最適化)の施策としても使用されます。
具体的には、AとBの2つのページパターンを用意し、それぞれのページのエンゲージメントスコア、直帰率やCVRを計測して、より最適なページ(=チャンピオンページ)を導き出すというものです。テストパターンはAとBの2種類のほか、3つ以上となる場合もあります。
ABテストの流れ
ABテストの基本的な流れは以下のようなステップを踏みます。
仮説を立てる
ABテストを成功させるためには、まずは仮説を立てて行うことが重要です。ページの中で課題がどこにあるか仮説をたて、どのようにしたら改善するかに具体的なアイディアを出します。
↓テストパターンのページを作る
仮説に基づいた改善案をもとにABテストで用いるページを作成していきます。
↓テストの計画と実行
テストの時期や期間などの計画を立てて実行します。検証結果を得るためにPV(ページビュー)数は2000以上をとるのが一つの目安です。
↓結果の検証
仮説に対するスコアの改善が出ればWebページへの実装が決定します。しかし、期待とは違う結果が出た場合や有意差が見られなかった場合は、テスト結果を分析して再度テストを行います。
結果のスコアにはっきりとした違いが現れ、効果の上がるLPとして導き出せるのは一般的に3割程度です。打率3割程度でチャンピオンページを見つける事を目指し、残りの7割については、データを記録しておくことで、その後の検証に役立てることができます。1回限りのテストではなく、仮説・改善案とテストを繰り返し行うことが重要です。
「逐次テスト」と「並行テスト」について
このように、ABテストを行うには2種類以上の異なるページパターンを用意して、サイトに訪れた人に表示する内容を出し分けますが、出し分け方によって大きく2種類に分類できます。
- 逐次テスト : AパターンとBパターンのページをそれぞれ異なる期間で公開テストする方法です。テストツールがなくても手軽にテストできる一方、デメリットとして実施期間が異なるため対象ページ以外の外部要因がテスト結果のスコアに影響を与える可能性があります。
- 並行テスト : 閲覧ユーザーごとにページ内容をランダムに振り分けることで、AパターンとBパターンを同時期にテストする方法です。同時タイミングでテストできるのでより確度の高いテスト結果を得られ、逐次テストよりも有意といえます。
逐次テストは特別な仕組みなしでも行なえますが、より正確な並行テストを行うには内容をランダムに出し分ける必要があります。そのような処理を自前で用意するのは大変なので、一般的には簡単にABテストを実施できるツール・サービスを利用します。
ABテストツール紹介
ここでは数あるABテストツールの中から、全世界での導入実績上位3つの特徴を紹介します。
Optimizely
ABテスト中のページ表示遅延を抑えたツールです。
日本語対応した扱いやすい管理画面から、ノーコードでHTMLの知識がなくてもページバリエーションの作成ならびにテスト結果の確認が可能です。
またABテスト実施中は、どんなツールを使っていてもページ表示速度に影響が出るものですが、Optimizelyではこのような遅延に配慮されており、複数のCDNと遅延読込の仕組みにより極力ページ表示速度に影響しないよう設計されています。
VWO(Visual Website Optimizer)
総合的なページ分析ができる多機能ABテストツールです。
JavaScriptでABテストする部分をHTMLに埋め込むタイプで、万が一サービス側で障害が発生してもページ自体はいつも通り見えるので安心です。
ABテスト以外にもヒートマップなどの分析ツールが多数用意されています。
月間5万PVまでなら無料で使えるので、試しに使ってみたいという人にもオススメです。
AB Tasty
Webマーケ機能も備えたABテストツールです。
単純なABだけでなく、複数の要素やページにまたがったバリエーションテストが可能です。
また閲覧ユーザーの属性に応じてコンテンツの出し分けをするパーソナライズ機能を備えています。
これらの実験や施策について管理画面内でROI分析ができ、またそれがノーコードで運用できるのも特長のひとつです。
機能比較表
サービス名 | Optimizely | Visual Website Optimizer | AB Tasty |
---|---|---|---|
特徴・独自性 | ページ表示遅延が少ない | 総合的なページ分析ができ多機能 | パーソナライズ機能 |
ノーコード設定 | △ | ○ | ◎ |
日本語対応 | × | ○ | 近日対応 |
Googleオプティマイズ機能互換 | ◎ | ◎ | ◎ |
導入方法 | scriptタグを1行追加 | 生成されたコードの貼り付け | scriptタグを1行追加 |
デモ試用できるか | 要相談 | 可(5万PV以下) | 可 |
まとめ
無料で使用できるABテストツールとしてはGoogleオプティマイズが有名ですが、2023年9月にサポートが終了する予定です。
移行先を検討する上で多くの選択肢がありますが、単にABテストができるだけでなく、解析もしっかり行えるツールがよいかと思います。
有効な仮説を立てるにも、また正しく検証して次につなげるにも、結果をどのように分析するかは重要です。
上記のツールはどれも世界的にシェアが大きく、テストだけでなく分析機能や付帯するウェブ施策の機能が豊富です。
オプティマイズからの移行先としてはどれを選んでも要件を満たしうるケースが多いと思いますが、「ABテストができる」以外の部分にそれぞれ機能や性格に違いがあるので、そこが選定のポイントになります。
サイドスリーではウェブサイトの制作、CMSの構築から、サイト運用・改善のご相談も承っております。
テストツールの選定や、導入後の運用についてお悩みがあればぜひご相談ください。