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「働きながら、社会を変える。」Webデザイナーの私の場合


                「働きながら、社会を変える。」Webデザイナーの私の場合

こんにちは、Webデザイナーのちぃさんです。
みなさんは普段、お仕事以外のプライベートな時間をどんな風に過ごしていますか?
私は、平日の夜と週末のプライベートな時間を使って社会活動をしています。

慎 泰俊(シン・テジュン)さんの『働きながら、社会を変える。――ビジネスパーソン「子どもの貧困」に挑む』という本にこのような一節があります。

一週間に七日あって、そのうち五日は仕事をするけれど、平日の夜と週末の一日を使えば、一週間のうち10%強がその活動のために使えることになる。
世の人々のうち、五分の一がこういうことをやりだしたら世界は変わる計算だ。そういう仕組みを作れたらいい。

この本は、著者が仕事の帰り道に自転車に乗りながら、そのように思い立ったことをきっかけに、NPO法人Living in Peaceを立ち上げ、児童養護施設の子どもたちへの支援活動をスタートしていく道のりと仕組みづくりを描いた一冊です。

プライベートの時間は仕事と完全に分けていたり、そうでもなかったり、みなさんそれぞれだと思いますが、私は今のような過ごし方をするようになってから、本業に対する向き合い方、働き方にも変化がうまれるようになりました。

そういった意味で、仕事とプライベートは、どのような過ごし方であっても相互に影響しあうものなんだと気づかされました。
今回のブログは、そんな私のプライベートの過ごし方、NPOでの社会活動をご紹介したいと思います。


働きながら、社会を変える。――ビジネスパーソン「子どもの貧困」に挑む

働きながら、社会を変える。――ビジネスパーソン「子どもの貧困」に挑む

特設サイト

著者:慎泰俊

外資系金融機関で働いていた26歳の著者が、「空き時間」を使って社会貢献する組織を立ち上げるというお話です。
児童養護施設での研修の様子が細かく書かれていたり、子どもたちと接する中で変化する著者の感情と、具体化する活動プランが、読んでいてドキドキさせられます。
難しい言葉もなく読みやすいので本当におすすめの一冊です。


きっかけ

仕事と育児の両立をする日々の画像
世界が子ども中心になった私

私には、3歳になる娘がひとりいます。
娘が生まれてから、子どもが被害にあう事件や事故のニュースが、自分のことのように重くのしかかるようになりました。
ニュースを目にする度にただただ落ち込んでいましたが、次第に「自分にできることを考えたい」と思うようになりました。

世界中の子どもたちを救うことは、自分には到底できません。
ですが、どんなに小さくても自分にできることをコツコツ積み重ねれば、誰かひとりくらいは助けられるかもしれない。
その可能性にかけてみたい。
そう思ったのが今から3年ほど前。
私のプライベートが変わったきっかけでした。

活動その1 「認定NPO法人 サービスグラント」でプロボノ活動

仕事と子育てと両立しながらできる社会活動を見つけるのは容易ではありませんでした。

はじめは月に一回程度、児童養護施設でお手伝いをする「何でもボランティア」みたいなのを考えましたが、コロナ禍で受け入れてくれる施設はありませんでした。
そんな時にやっと見つけたのが「認定NPO法人 サービスグラント」でした。

サービスグラントは、社会活動をしたいと思っている登録ボランティア(プロボノ)が、運用上の課題を抱えたNPOなど非営利組織に対して、一定期間、課題解決に向けた支援を行うことで、彼らの活動がより活発化していくような仕組み作りを提供している団体です。

これなら私もプロボノ登録すれば、Webサイトを持ちたいという課題を抱えているNPOがあったときにお手伝いできる。
「この手があったのか!」と、サービスグラントの取り組みにとても驚き、喜んだことを覚えています。

プロボノ登録後、新プロジェクトとして募集していた「家庭訪問型育児支援『NPO法人 O'hana 親と子の絆を育むお手伝い』のWebサイトリニューアル」にWebデザイナーとして参加。
約半年をかけて、ほかのプロボノメンバーとペルソナを考えたり、ご依頼主のO'hanaや関係者へのヒアリング、虐待についての勉強会まで開催し、リニューアルは大成功をおさめることができました。

「家庭訪問型育児支援『NPO法人 O'hana 親と子の絆を育むお手伝い』のWebサイトリニューアル」のプロジェクトの画像
プロジェクトメンバーは8人。
みんな異業種でしたが、同じ志を持つ、すばらしい仲間になりました。

認定NPO法人 サービスグラント

認定NPO法人 サービスグラント

公式サイト

サービスグラントでは、社会的活動を行うソーシャルセクターの課題に対し、職業上の知識や経験を持つ多彩な人々による「プロボノ」での支援をコーディネートしています。
これまでに5,000人以上のプロボノワーカーが参加。約1,200ものNPOや地域団体等への支援を行ってきました。

活動その2 「NPO法人 O'hana 親と子の絆を育むお手伝い」に所属

リニューアルしたWebサイトの画像
こちらがリニューアルしたWebサイトです。

サービスグラントでのプロジェクト終了後、私は、ご依頼主だったO'hanaの広報担当として正式メンバーになりました。

私はここで、月に一度の定例会参加、Webサイトの運用保守、SNSでの情報発信、その他イベントチラシなど印刷物の制作を行っています。

O'hanaに所属したことで、それまで育児や虐待について知る機会がメディアのみでしたが、そこからは知り得ない「私たちが住んでいる地域の状況」や「リアルタイムな現状」を知ることができるようになり、またそのことで感じた自分の気持ちや考えを共有する仲間を持つことができました。


NPO法人 O'hana 親と子の絆を育むお手伝い

NPO法人 O'hana 親と子の絆を育むお手伝い

公式サイト

生後半年までの第一子を対象に家庭訪問型育児支援を無償で提供。
活動の拠点は、大阪を中心とした関西。家庭訪問員はいずれも専門の研修を受けており、訪問時には主に親と子の愛着関係、絆づくりに重点を置き、虐待予防に根差した活動を行っている。

活動その3 「認定NPO法人 児童虐待防止協会」での印刷物制作

私の主な活動はO'hanaですが、ほかにもいくつかボランティアとして関わっているNPOがあり、ここからは各団体のご紹介と私のお手伝いしている内容をご紹介したいと思います。

はじめにご紹介する団体は「認定NPO法人 児童虐待防止協会」です。

所属はしていないのですが、ご依頼をいただいた際に、お手伝いをさせていただいています。

これまで、Webサイトの会報記事やパンフレットなど印刷物の制作をさせていただきました。
虐待防止を目指した協会の想いを取りこぼさないように、制作物はすべて仕事と変わりなく心から大切に全力で制作しました。

認定NPO法人 児童虐待防止協会で制作したパンフレットの画像
協会のパンフレットやWebサイト記事制作を担当させていただきました。

認定NPO法人 児童虐待防止協会

認定NPO法人 児童虐待防止協会

公式サイト

大阪を拠点に「子どもの虐待ホットライン」や主に専門職を対象とした虐待防止に関するセミナー・研修会の実施、関西の高等学校を中心とした虐待予防教育の開催など、多方面に向けた虐待防止を目的とした支援を行っている団体です。

活動その4 「NPO法人 チャイボラ」での運用保守

保守更新しているWebサイトの画像
保守更新しているWebサイトは、すばらしい仕組みで大きな規模のサイトです。

次にご紹介する団体は「NPO法人 チャイボラ」です。

同法人が運営している「社会的養護 総合情報サイト チャボナビ」は、全国300件強の児童養護施設などの社会的養護の施設が登録しており、各施設の採用情報やブログなどの閲覧が可能です。

私は「チャボナビ」の運営ボランティアのひとりとして、担当施設さまが投稿された記事のテキストチェックと公開作業を行っています。

施設の方のブログチェックでは、子どもたちの雪遊びや成人式の様子など、投稿内容に顔がほころんだり、じーんと泣けてくることもしばしばある大好きな作業です。


NPO法人 チャイボラ

NPO法人 チャイボラ

公式サイト

「⼦どもたち⼀⼈ひとりが⼤切に育てられる世の中を目指して」という理念のもと、児童養護施設で働く職員の十分な確保と定着という観点から施設をサポートする活動を行っています。

社会的養護 総合情報サイト チャボナビ

活動その5 「NPO法人にこにこエプロン」での印刷物制作

最後にご紹介する団体は「NPO法人にこにこエプロン」です。

こちらでは、子育てイベントのチラシを作成させていただきました。

本業では、印刷物のデザインはほとんど行いませんので、自身のスキルアップになることも社会活動をすることのメリットです。

NPO法人にこにこエプロンで制作したマタニティイベントのチラシの画像
マタニティイベントのチラシ制作を担当させていただきました。

NPO法人にこにこエプロン

NPO法人にこにこエプロン

公式サイト

O'hana同様に家庭訪問型育児支援を行っている団体です。
家庭訪問以外にも、子育てに関する相談窓口、地域への講演会、プレママ・プレパパを対象とした子育てイベントを開催しています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
以上のような活動を通して、どこかで困っているママやどこかで泣いている子どものためにできることを考えています。

ただ「子どものために」「ママのために」と言いつつも、実際は、だれより「私のために」なっていると感じることが多いのも事実です。
社会活動をはじめてから、私はWebデザイナーという職業の持つ可能性や力を改めて実感し、もっと自分の仕事が好きになりました。
そういった意味で、やはり仕事とプライベートは、相互に影響しあうものなんだと思います。

またサイドスリーで共に働いているデザインチームのみんなは「ちぃさんの活動すごくいいね!」といつも興味を持って応援してくれるので励みになっています。

みなさまは普段どんなプライベートを過ごしていますか?
仕事もプライベートも、それがみなさまにとってかけがえなく楽しいものであるよう応援しています。

最後に、私が社会活動について書いたもうひとつのブログ『NPO・支援団体のサイト5選「Webデザインには人を救う力がある」』も広く多くの方に知ってほしい内容を掲載しておりますので、ぜひ読んでみてください!

NPO・支援団体のサイト5選「Webデザインには人を救う力がある」