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webデザイナーちぃさんの産休・育休レポート【育休編】


                webデザイナーちぃさんの産休・育休レポート【育休編】

こんにちは!webデザイナーのちぃさんです。前回の「産休・育休レポート【出産編】」に続き、今回は【育休編】です。

子育てって大変、大変ってよく聞きますよね・・・。仕事の方がずっと楽とか。
出産前の私は毎日仕事でかなり忙しく働いていたので、今よりも忙しくなることがイメージできませんでした。

また育休前に役員・白石から言われた「子どもが産まれたら仕事仕事という今の考えは変わる」という言葉。

そんなふうに子どもや育児は、私のこれまでの生活や価値観を180度変えてしまうほどの存在なのか。
【育休編】では、育休の振り返りと復職した今思うことをレポートさせていただきます。

出産後、一週間の入院。わが子以上に夜泣きしました。

出産後、一週間の入院。わが子以上に夜泣きしました。

帝王切開での出産だった私は身体の回復のため、一週間入院しました。

病院は母子同室・完全母乳を推奨しているところだったので、はじめの2日、3日は術後の痛みでほぼ寝たきり&食事なし点滴のみであったにも関わらず、顔を横に向けるとわが子が寝ているという状況でした。
1時間半〜2時間おきに子どもが泣くと助産師さんがひょいと持ち上げて私の胸に置きます。胸の上で思うように動けないわが子に、同じく動けない私が上半身をなんとかひねりながら授乳を行います。

実際おっぱい出ているの?子どもが生まれた瞬間からそんな都合よく出るものなの?疑問と子どもを抱えながら育児ははじまりました。

・・・結論からいうと出ていなくて、授乳トレーニングというお乳を搾り続けたり、ゴボウ茶という健康茶を飲み続けたりを毎日行わなければなりませんでした。
それ以外にも沐浴、抱っこ、オムツ替えなど助産師さん付きで毎日がトレーニングの連続でした。
特に抱っこは私では泣くのに、助産師さんなら泣き止むという・・・。悲しくて夜な夜な枕相手に何度も練習をしました。

40時間かけての出産から休む間もなく育児がはじまり昼夜問わず1時間半〜2時間おきに泣くわが子。落ち着かせるのに1時間以上。ようやく・・・と保育器にうつしても30分後には再び泣く。これがエンドレスで24時間。 はじめてばかりの緊張と、それでもうれしい興奮と、かといってチャラにならない身体の疲労と、それらを凌駕する産後のホルモンバランスの乱れに支配されて、私は毎晩わが子以上に夜泣きしていました。母親も泣きながら生まれるんやなぁ、そう思いながら・・・。

どうすれば「私はお母さんだ」って思えるかわからないんですけど・・・

どうすれば「私はお母さんだ」って思えるかわからないんですけど・・・

退院。助産師さんがいなくなって、本当の育児スタートはここからでした。
不安しかない気持ちを病院に相談し、退院一週間後には地域の保健師さんが来訪してくれました。
地域のコミュニティやサービスの紹介、今後の予防接種や保育園の説明、自身の子育て奮闘記まで。「大丈夫そう・・・」そう思うに十分なお話をたくさんしてくれました。

嬉しかったのは、私が話をしながら歩いたとき「あ、赤ちゃんがお母さんの方に顔の向きを変えたよ。目はまだ見えてなくても声でお母さんってわかってるのね。」と言われたことでした。

産んだくらいで"お母さん"なんて、そんなおこがましいこと思ったらダメ。私がお母さんに足る人間かどうかは子どもが決めるんだ。
そう感じていたのでとても嬉しい言葉でした。

わが子は100%ではなく100%以上の提案を求めています

わが子は100%ではなく100%以上の提案を求めています

「お客さまは100%ではなく100%以上の提案を求めています。通常の業務に甘んじず常にスキル以上の目標にチャレンジしよう。」

これは当社の行動指針のひとつですが、わが子に対する行動指針としても私はよく唱和していました。

「子どもが寝たからってテレビを見るなんて通常の育児に甘んじてる・・・」
「授乳中、スマホを触るなんて私いよいよ通常の育児に甘んじてる・・・」
「スタバの季節限定フラペチーノゆっくり飲みたいな、とか思うなんてもう救いようのないほど通常の育児に甘んじてる・・・」

#育児罪悪感あるある」と呼ばれているそうです。
子どもに向き合っていないと感じた瞬間に抱く申し訳なさ・・・。結果、私は保健師さんに教えてもらった地域のコミュニティやサービスを利用して毎日何かにつけて出かけては子どもに昨日以上の今日を、100%以上の提案を、とチャレンジャーな育児をしていました。

当時、参加したイベントは例えばこんな感じでした。

近所の夏祭り・ピラティス・親子ヨガ・産後骨盤矯正・ポールエクササイズ・母乳相談会・ベビーマッサージ・ベビーと行ける映画上映会(「天気の子」「アナと雪の女王」)・ママ友ランチ会・ベビータッチ・スマホで撮ろうお昼寝アート写真撮影会・わらべうた・児童館での育児セミナー・育児を語ろう哲学カフェ・はじめてのベビーサイン体験会・赤ちゃんセミナー・絵本読み聞かせ・保育園の園庭開放・離乳食セミナー・プロカメラマンによる撮影会・区役所のキッズルームで遊ぶ

種類だけでも20くらいありますが、これが月1〜2回は開催されていて皆勤で参加していたので、Googleカレンダーは仕事していた時よりもタイトスケジュールでした。

イベントに参加しながら時々ふとこんな風にも思っていました。「今どこへ行っても何をしても本人の記憶には残らない。思い出にはならないんだな」と。それを思うと少し寂しい気持ちになりました。でも「目的は思い出作りじゃない。目の前にあるこの顔が1回でも多く笑顔であってほしいんだ。」そう思い直し、また次の日もイベントに出かけていました。

ワタシはぜったい虐待しませんからね

育児書はいくつか読みました。
育て方について知りたい時」はネット検索を、「育み方について知りたい時」は書籍を読んでいました。
すごく微妙なニュアンスの違いですが、ネットで得られるたくさんの情報に左右されない、多くはないけどブレない想いを育児書は教えてくれました。

思い出に残っている本を3冊ご紹介します。

『ワタシはぜったい虐待しませんからね!』

『ワタシはぜったい虐待しませんからね!』

幼少期にDVにあっていた著者が、自分は絶対に虐待しないと誓いながらも日々の育児の中で苦しみもがき葛藤しながら答えを見つけていくお話。虐待をテーマに扱いつつも、育児のうまくいかなさをコミカルに描いている漫画で、読んだあとは辛いことは笑い飛ばせばいいんだと泣いてしまう一冊です。

購入はこちらから

『大丈夫やで(2)』

『大丈夫やで(2)』

90歳を超えた今も現役のカリスマ助産師さんの育児に対する哲学書です。
"難しい理屈はいらん。「赤ちゃんをかわいい」とお母さんがおなかの底から思うこと。子育ての原点はこれだけです。"
坂本先生の言葉に何度も救われた一冊でした。

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『隣る人』

『隣る人』

とある児童養護施設の職員さんが、そこでの日々の暮らしや子どもたちについて綴ったエッセイです。
施設の子どもが、夜な夜な著者のおっぱいをくわえて眠るエピソードに対して「家族に代わることのできない私と、もう赤ちゃんには戻れないこの子」という一文に、子どもに愛情を注ぐという親の責任を強く抱かされた一冊でした。

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育休中は「虐待」についてよく考えていました。
いわゆる"叩く"などの明らかな虐待はしないまでも、泣き続ける子どもにいつもいつまでも根気強く付き合う。そうあり続けるためには私には他人の目が必要で、連日外出していたのもだからこそだった部分もありました。
地域では、虐待防止のための親子イベントをはじめとしたセーフティネットがいくつも張り巡らされています。
その網の目に引っかからない、外に出られないor出ようとしない母親に対するアプローチ。地域コミュニティの今後の大きな課題だと感じました。

コロナ禍、のびにのびた育休

コロナ禍、のびにのびた育休

当初、4月から保育園がはじまり5月のGW明けに復職予定でしたが、コロナ禍の影響で7月中旬まで延期になりました。
延期期間中、おぼつかない足取りだったわが子はすたすたと歩けるようになりました。人見知りで泣いてばかりでしたが他人にも笑顔がこぼれるようになりました。ほとんどのものが食べられるようになりました。

それらの成長をこの目で見ることができたことは、復職が延期になってよかったと私に思わせたと同時に、これからはこれらを保育園の先生から聞くことになるんだと悲しい気持ちにさせました。

「復職はやめてもうずっとこの子と一緒に過ごしていたい。」復職直前は、本気でそう思いました。

復職

復職

今、復職して2ヶ月が経ちました。子どもの成長やたくさんの初体験を保育園の先生から聞きます。
ピザが食べられなかったこと。ボディペインティングで絵の具を不思議そうに眺めていたこと。先生に来てほしいとき嘘泣きをするようになったこと。
聞くたびに「園の防犯カメラでもいいから映像をくれませんか?」と言いたいくらい、目にすることができない現実を寂しく思います。

役員・白石の「子どもが産まれたら仕事仕事という今の考えは変わる」という言葉。
確かに・・・。毎日そばにいて子どものはじめてにいつだって立ち会えたら・・・そう思う気持ちもあります。

ですが、私は子どもを保育園に預け、子どもとの時間よりも"仕事"を優先しました。
そのことを寂しく思えば思うほど「そうまでして優先した"仕事"を決して無下に扱いたくない。」そう強く思うようにもなりました。

そういった意味では、子どもが生まれても仕事仕事という私の考えは今も変わっていません。

まとめ

【出産編】でも書きましたが、当社はスタッフで育休をとったのは私がはじめて。
にも関わらず、急なお休みやテレワークなど気軽に相談できる雰囲気が社内にあります。
むしろ母親になった私のことを家族のように喜んでくれており、どんな相談ごとも役員からの返事は決まって「大丈夫。」ではじまり「無理せんとき。」で終わります。

「育休」
この時のことは、晩年人生を振り返る時に必ず思い出す一小節だろうなと思います。
育休の先には、復職があります。なら後悔のないようわが子と過ごすこの時間をめいいっぱい大切にしよう。そんな風に、仕事があるからこそがんばれた育休でした。

長くなりましたが、以上で育休レポートは終わりです。
最後まで読んでくださりありがとうございました!